熱傷(やけど)について
熱傷(やけど)とは
日常生活の中で、熱いお湯をかぶったり、火にかけたままの鍋に触れてしまったりするなど、予想外の事故によりやけどを負うことがあります。しかし、「やけど」と一言で言っても、実はその種類は非常に多様です。
「やけど」は、医学的には「熱傷」とも表現されます。この「熱傷」とは、皮膚が直接的または間接的な熱の影響で損傷を受ける状態を指します。熱傷は、その深さによってⅠ~Ⅲ度に分類されています。Ⅰ度の熱傷は皮膚の表層が損傷したもの、Ⅱ度の熱傷は皮膚の中層まで損傷したもの、Ⅲ度の熱傷は皮膚の全層が損傷したものを指します。
そして、Ⅰ~Ⅲ度の深さのやけどが身体のどのぐらいの範囲を占めているかにより、熱傷の程度は軽症から重症までと分けられます。例えば、大面積にわたるⅠ度の熱傷でも重症となる可能性があります。
加えて、熱傷の程度によって治療法が大きく変わるため、適切な診断と治療の選択は非常に重要です。それぞれの症状に応じた適切な手当てと治療を行うことで、熱傷からの回復を早めることが可能となります。
熱傷(やけど)の原因
熱傷の原因となるのは、一般的に火や熱いものに触れたときに皮膚が焼けてしまうことを思い浮かべるかもしれませんが、実際にはやけどの原因はそれだけではありません。
火災による熱傷は、熱い水蒸気や煙、有毒ガスなどを吸い込んでしまうことで気道が焼けてしまう現象です。これを「気道熱傷」と呼びます。これは、火災の熱さだけでなく、有毒物質の吸入によっても起こることがあります。
また、化学薬品が皮膚や粘膜に接触し、その結果、組織が壊れてしまうことを「化学熱傷」と呼びます。これは、特定の化学物質が皮膚に直接触れることで起こります。
最後に、「電撃傷」は、感電や落雷などにより電流が身体を流れることで引き起こされる障害です。これは、電流が体を通過することで内部の組織が損傷することが原因です。